君の名は。
新海誠監督の最新作にして興行成績ナンバー1確実な「君の名は。」。
日曜日に観てきました。
朝一9時10分からの上映でしたが、なんとほぼ満席。
映画を観に行かなくなって何年?この前は…エヴァンゲリヲン?まどマギ??
という、なーんだやっぱりアニメか。というご批判もあろうことと存じますが、うん、アニメですね。
新海監督の作品はほぼ観てきていて、その、他人から見ればさほど傷ついていなさそうなのに、本人は世界が終わるかのような傷心モードで、空を見上げてはため息をつきながら、それでも季節はめぐるし、明日になれば雨もやむかもしれない、たぶんきっとこの先も生きていくけど、この瞬間の気持を忘れたくない、でもおそらく忘れちゃうんだろう、大切だったきみの笑顔も、と小っ恥ずかしい独白で彩られたセンチメンタルワールドが特徴的ですが、このような思いっきり後ろ向きで、世界は自分の中にしか存在しないというセカイ系ファクターが、オレ的には実はけっこう好きでして、うん、たぶん彼女にふられたあとの夕日に染まった流れる雲を眺めるシチュなら、きっとオレもポエムのひとつぐらいはつぶやくだろうな、という共感がハンパなく、それはたぶんではなく、すでにやっちゃってる感もあるように記憶しているような勘違いもあるけど、あまりに恥ずかしいので無意識に記憶から消しちゃってるかもしれないという、それくらい心の琴線に触れてるのはオレくらいだろうなって勝手に親近感を覚えている日本国内約100万人くらいいる中のひとりであることに違いない。
とにかくそれくらい個人的に思い入れがある作品を作ってきているのです新海監督は。
その最新作。
なーんか、評判がすこぶるいいみたいじゃない。
古いメロドラマと同じタイトル、高校生男女の中身が入れ替わる、自然が豊な田舎の風景、悪い人はきっと出てこない、そんな事前情報から想像するに、あんまり新鮮な刺激は与えてくれないんじゃなかろうか?とたかをくくっていました。どれも使い古されたネタを集めただけのような。
観てみると確かにその通りなんですが、なんだろうね、この鑑賞後のさわやかな気分は。
表情豊かなキャラデザ、モノローグを廃して動きによって表現する手法を会得したことによる、一種のわかりやすさ、とっつきやすさ。笑い、ギャグの要素も追加。
そこに疾走感あるサウンドを乗せてテンポよく進むストーリー。
1時間半以上なのに、まったく中だるみさせず、それでいて疲れさせることもない巧妙な演出は、ちょっと今までの新海作品にはない特徴かも。
予定調和かと思いきや、中盤のあっと驚く展開に物語の中にぐっと引き込まれます。
これによって、多くの人たちの支持を得たのでしょう。
一皮むけたって感じ?
うじうじ悩んで、後ろ向きな独白こそが新海節だ。これは認めん!という層には受け入れがたい商業主義に身売りしたような作品かもしれませんが、世界も終わらない、ロボも出てこない、ジブリでもない、萌え要素も皆無な作品で、ここまでエンターテイメントたりうる作品を作った新海監督の進化に、心から拍手を送りたいと純粋に思います。
絶対に見るべき時代を代表する最重要作品!ではありませんが、肩肘張らずに、話題作だから観てみるか、というスタンスでふらっと立ち寄った映画館で観てみると、意外や意外、泣きながら映画館を出てくることになるかもよ。
こういったのが実は傑作として後世に語り継がれるのかしら?
「君の名は。」予告2
ああ、まあ、ベタなんだけど、この予告編だけですこしうるうるする。。
歳を取ると涙腺がもろくなっていけねぇや。
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